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『居酒屋かもめ唄』 太田和彦
全国の居酒屋を訪ねた居酒屋紀行 2010年5月28日(金)
『居酒屋かもめ唄』
- 太田和彦
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- 小学館文庫
- 552円(税別)
- 2004年3月発行
年季の入った居酒屋の片隅で、ひとり静かに粋に飲めたら、そりゃあカッコイイことだろう。しかし、なかなかそうもいかない……。だから、酒飲みの心の師と仰ぐ、この人の居酒屋探訪の本を読む。著者は、北は北海道から南は九州まで居酒屋を訪ね歩き、美酒と酒肴を味わいつくしている。
本書は、全国の居酒屋の名店を訪ねた居酒屋紀行の1冊。この中で「みちのく、夏の終わり あざみの歌……盛岡「ギオン」」と題して、盛岡の数店が紹介されている。著者の人柄がにじみ出る文章から、店のおばちゃんの人生や、隣り合わせた客とのふれあいがしみじみと伝わってくる。
『居酒屋かもめ唄』は雑誌に連載され、単行本になり、そして文庫化された。時間の経過により、連載のときとは状況が変わっている。「文庫本あとがき」には、盛岡のことが中心に書かれている。心にしみる「あとがき」である。