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『スープ•オペラ』 阿川佐和子
3人の共通点は「スープ好き」ということ。 2010年10月6日(水)
『スープ•オペラ』
- 阿川佐和子
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- 新潮文庫
- 667円(税別)
- 2008年6月発行
「気まぐれ本棚」が、「岩手に少しでも関わる内容」の本を紹介するコーナーだからといって、これはあまりに関わりが少なすぎるかもと思いながら、でも、面白かったから紹介しよう。「関わり」というのは、小説の登場人物トバちゃんが、主人公のルイに電話をかけてきたとき、「今、盛岡。とりあえず今夜はここに泊まります。二人とも元気よ」と言う。それだけ。
ルイは35歳、独身。女手ひとつで育ててくれた叔母のトバちゃんが、還暦を前に恋に落ちて旅に出た。ひとり残されたルイの家には、初老の自称画家トニーさんと、年下の康介というふたりの男が転がり込んできて、いっしょに生活することになった。3人の共通点はスープ好きということ。それでタイトルが、『スープ』なのである。読み進めていくと、「あ、それ食べたい」と思わせる、美味しそうな場面が出てくる。
この作品は映画化され、現在、全国公開中(2010年10月2日~)。映画が先か、それとも原作を先に読むか。さあ、どうします?