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『東京さんぽるぽ』 なかだえり
著者の散歩の喜びが文章にあふれている 2010年11月24日(水)
『東京さんぽるぽ』
- なかだえり
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- 集英社
- 1,800円(税別)
- 2010年3月発行
著者は一関市出身のイラストレーター。プロフィールを見ると、建築を学んだ人らしい。そして、「1999年から東京•千住の蔵をアトリエに水彩画イラストを発表」とある。やっぱり建築系の人だから、建物にこだわりがあるのだろうな。アトリエはどんなふうだろうかなどと興味をそそられる。
それは置いといて、本題に入ろう。本書は、読売新聞首都圏版夕刊に連載されたイラストコラムをまとめたもの。「さんぽるぽ」とは、散歩とルポルタージュとの造語で、その言葉通り、興味のある場所を訪ね、文章とイラストで取材地の素晴らしさを伝えている。訪ねた場所は実に多彩だ。早稲田松竹映画劇場、タンゴ喫茶「ミロンガ•ヌオーパ」、すり鉢状の地形•四谷荒木町、三ノ輪ラムネ、原美術館、バケツ豆腐「越後屋」…(目次順に抜粋)。著者の「散歩」の喜びが、文章にもイラストにもあふれている。東京まで散歩に行きたくなってきた。いや、その前に近所の散歩もいいかな。