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『山下洋輔の文字化け日記』 山下洋輔
8年間の日記ともいえる作品 2011年2月2日(水)
『山下洋輔の文字化け日記』
- 山下洋輔
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- 小学館文庫
- 562円(税別)
- 2009年6月発行
著者は、ジャズ界の重鎮というべきジャズピアニスト。そして、エッセイストとしても絶大なる支持を得ている。本書は、2001年から2008年まで『CDジャーナル』に連載された「山下洋輔の文字化け日記」を加筆・訂正し、新たに編集したエッセイ集。8年間の日記ともいえる作品だ。2003年の最後の「日記」に、ニューヨーク•トリオの演奏で盛岡を訪れたときのことが書いてある(本番後の打ち上げが大宴会となった…とあるが、筆者もそこにいた。確かに盛り上がっていた)。
自身の演奏活動をはじめ、音楽に関わることはもちろんだが、野球、蕎麦、猫、駄洒落と、話題はさまざま。「山下さんは、こんな日々を送って、こんなことを考えていたのか」と、ファンにはたまらない内容である。それにしても310ページ「赤塚不二夫さんの『これでいいのだ』だが…」のくだりには、ファン心がいっそう強く揺すぶられましたとさ。