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『作家の猫』 コロナ•ブックス編集部 編
作家に愛され描かれた猫たちのアルバム 2011年10月31日(月)
『作家の猫』
- コロナ•ブックス編集部 編
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- 平凡社
- 1,600円(税別)
- 2006年6月発行
猫好きの人なら、表紙の写真を見てつい手に取ってしまい、裏表紙の写真でノックアウトだろう。
帯には「夏目漱石の『吾輩』から、中島らもの『とらちゃん』まで、作家に愛され、描かれた猫たちのアルバム」とある。その作家のラインナップがすごい。
谷崎潤一郎、室生犀星、内田百閒、大佛次郎、アーネスト•ヘミングウェイ、池波正太郎、三島由紀夫…。そしてどんな文豪であろうとも、猫にはメロメロなのが微笑ましい。
岩手との関わりでは、常盤新平の「猫が書かせた小説」というエッセイが掲載されているほか、「猫の名作文学館」というコーナーで、色川武大の「ぼくの猫 ぼくの猿」『生家へ』、宮沢賢治の「どんぐりと山猫」が紹介されている。
ちなみに裏表紙は、火鉢にあたりながら居眠りする猫を優しい顔で見守る室生犀星の写真である。ああ、癒されるなあ。
写真を眺めているだけでも楽しいが、文章を読むと本書の良さがしみじみと伝わってくる。『作家の猫2』も出版されている。こちらの表紙もたまらない。